斜視 弱視について 【 斜視編 】
こんにちは。
1、斜視とは???
斜視とは、両眼の視線がずれている状態です。
例えば正面から顔を見たときに、 右眼はまっすぐこちらを見ているのに左眼は別の方向を向いている といった状態です。
斜視の中でとても多いものに、間欠性外斜視( かんけつせいがいしゃし)というものがあります。
これは外斜視( 片眼が外側にずれている) の時と正常な時の2つの状態をもっている斜視です。
基本の目の位置が外側を向いているので、 ふだんは無意識に目に力をいれて外斜視にならないようにしていま す。そのため目が疲れやすく、 体調が悪いときや眠い時には力を入れられないため外斜視が出現し やすくなります。
外斜視が出現した時には片目でしかものを見ていないか、 2つにものが見えています。
お子さんの場合、 2つに見えると訴えることは少なく、 ずれた目からの情報は脳から消去してしまいます。 そうするとずれた目の発達が阻害され、 弱視になったり遠近感を得にくくなります。
大人では2つにものが見えたり、 特にパソコンなど眼が疲れやすい環境では両眼で見ようとするとは っきり見えなかったりと日常生活に支障をきたす場合もあります。
あとは赤ちゃんに多いもので、偽内斜視(ぎないしゃし) というものがあります。
見かけ上は視線がそれていて斜視のようにみえますが、 実際には両眼の視線がそろっている状態を偽斜視といいます。
友人から「 生まれた子供の目が内側に寄って見えるんだけど大丈夫かな?」 といった連絡をもらうことがあります。そういう時は、「 鼻の根っこ部分を摘んで目を見てみて」と答えます。
赤ちゃんは鼻が低く平らで幅が広いので目頭側の白目が隠れてしま い眼が内に寄って見えることがあります。
鼻の根っこを摘むと、 隠れていた内側の白目が見えて黒目の位置が真ん中に見えるように なるかもしれません。
しかし、中には生まれつき内斜視の場合もあります。なので「 フラッシュをたいて顔を正面から撮った写真を見せて」 ともお願いします。
フラッシュを使って写真を撮ると、 黒目のところに白い点が写り込みます。 その白い点の位置を確認します。
白い点が黒目の真ん中に写っている場合は問題ない可能性が高く、 真ん中よりもズレている場合は斜視の可能性が出てきます。
もしお子さんを見ていて斜視かも?と思うことがあったら、 お気軽に当院までお越しください。 その際に目がずれている時の写真や写メを持参していただけるとと ても助かります。
病院という慣れない環境にお子さんは緊張します。 緊張すると力が入ってしまうので、 来院した際に斜視が観察できないことがあります。
斜視には他にも多くの種類があり、 年齢や原因などでそれぞれ治療方針が異なります。
一般的には良好な視力が出るようなら様子見のことも多いですが、 視力が不良なら早期の手術や適したメガネを掛ける必要があります 。
また視力が良好でも、 外見上で目立って気になるなら手術の適用もあります。
大人の方でも、物が2つに見える、 外見上でたまに斜視になるなどお困りのことがあればご相談くださ い。
パソコンやスマホなど、近くを見ることの多い昨今、 目の疲れを感じる方も多いかも知れませんが、 中には斜視が原因で通常よりも目を酷使して疲れを感じている場合 もあります。
近くを見るとき目は内側に寄ります。 外斜視があると通常よりも更に目を内側に向けなくてはいけないの で、目が疲れやすくなってしまいます。
メガネを掛けることで根本的な斜視が治るということはありません が、 適したメガネを掛けた状態なら斜視が出現しない又は出現の頻度が 減るということはあります。
当院でも斜視の方に対する眼鏡の処方を行なっております。 プリズムという特殊なレンズを使っての処方も可能です。
メガネを掛けて二重に見えていたのが変わるか? 疲れがラクになるか?試すだけでも構いません。 お気軽にご相談ください。
メガネの処方については予約制になっておりますので、 お手数ですがお電話でお問い合わせください。 よろしくお願い致します。
そのほかにも、 斜視について気になることがあればお聞きください。
斜視の検査や、 立体感がどれくらいあるのかを調べる検査もありますので、 気になる方はお声がけください。 ただ検査は予約制となっておりますので、 こちらもお電話でのご予約をお願い致します。
◆◆◆弱視と斜視まとめ◆◆◆
・ 子供の目の成長のためには良好な視力で両目で物を見ることが必要 である。
・視力が発達する6歳頃までにしっかりとした視力を確保する。
・斜視と弱視は密接した関係。 視力が悪いと斜視になることもあり、 斜視があるから弱視になることもある。
・斜視や弱視は早期発見・早期治療がとても大切!!!!
お子さんに目を細めて物を見ていたり、よく片目をつぶっている、 顔を傾けて見ているといった様子はありませんか?
そういった行動は見えにくさを解消しようとして起こす動作です。 もしお子さんがそのような動作を頻繁に行なっているようでしたら 要注意かもしれません。
学校での視力検査や健診もありますが、 リラックスしている家での様子がとても大切ですので、 目を細めたり片目を瞑るなど、 お子さんの物を見る様子をぜひ注視してあげてください。
そして気になることがあれば一度眼科を受診してみてください。
2回に分けて長々とお付き合いいただきありがとうございました。